株式会社キャリカレ様のAI講座に登壇しました。
お伝えしたのは、「AIにうまく頼む力」です。
3月25日、株式会社キャリカレ様の「欲しい答えを引き出す!AIプロンプト基礎講座」に講師として登壇させていただきました。2時間のZoom講座で、ChatGPTを題材に「AIにどう話しかければ、ほしい答えを引き出せるのか」を、実践を交えながらお伝えする内容でした。

おかげさまで、講座は盛況のうちに終了しました。
私自身にとっても、あらためてAIへの関心の高さを実感する時間になりました。
今回の講座は、単に「AIの機能を知る」ための場ではありませんでした。
出発点にあったのは、「AIに聞いても的外れな答えばかり返ってくる」「どう指示すればよいのかわからない」「仕事や発信にAIを使いたいけれど、何から始めればよいかわからない」といった、とても現実的な悩みです。

実際、AIでつまずく理由は、能力やセンスの問題であることはほとんどありません。
うまくいかない大きな理由は、AIにどう伝えるかという会話の方法を、体系立てて学ぶ機会が少なかったことにあります。多くの場合、必要なのは「もっと賢くなること」ではなく、AIに伝わる形で頼むことです。人には通じる曖昧な言い方も、AIにはうまく伝わらないことがあります。だからこそ、ちょっとしたコツを知るだけで、返ってくる答えは大きく変わります。イベントページでも、この講座は「AIが使えるかどうかではなく、どう話しかければほしい答えが返ってくるのか」を学ぶ実践講座として紹介されていました。
私は長年、報道の現場で「伝わるとは何か」と向き合ってきました。
その経験を経て、いま強く感じているのは、AI時代に本当に問われているのは、ツールの操作技術だけではなく、自分の考えを伝える力そのものだということです。AIは魔法の箱ではありません。けれど、こちらの意図や背景、目的をきちんと渡せば、驚くほど頼もしい相棒になります。講座でお伝えしたのも、まさにその部分です。
講座では、AIに頼みごとをするときの流れを、できるだけシンプルに整理してお話ししました。
AIに頼みごとをするときの基本として、目的、役割、前提、制約、改善という5つのステップを通じ、AIとの対話を整理する考え方を扱いました。すなわち、何をしてほしいのかを伝える。必要な役割を与える。なぜそれが必要なのかを添える。返ってきた内容を確認する。必要に応じて、もう少しこうしてと調整する。という流れです。

AIに与えるプロンプトは、単なる“思いつきの質問文”ではありません。
自分が何をしたいのか、誰に向けて、どんな結果を求めているのかを整理するための設計図です。
こうして書くと難しそうに見えるかもしれませんが、やっていることはとても人間的です。
相手に伝わるように話す。前提を共有する。ズレたら言い直す。
つまり、AIとの対話は、特別な呪文を覚えることではなく、自分の考えを丁寧に言葉にすることに近いのだと思います。
だからこそ、この講座はAI講座でありながら、小手先のプロンプト技をただ紹介するのではなく、人間の“伝える力”を磨くことを意識して設計しました。
AIとの対話は、 自分の思考を整理し、 深め、 広げる練習になります。
プロンプトフレームワークの枠組みを意識することで、
「どう考えるとAIが理解しやすいのか」
「どう言語化すると成果が出るのか」
という“思考の形”そのものが整っていきます。

AIはもちろん、文章づくりや情報整理を助けてくれる便利さはあります。けれど本当に大きいのは、自分の頭の中を整理するきっかけになることです。
何を頼みたいのか。誰に向けた内容なのか。どこまでできれば十分なのか。そうしたことを言葉にするだけで、仕事の進め方そのものが整っていきます。
AIとの対話を重ねるほど、思考は研ぎ澄まされ、仕事も人生も前に進む。
AIは単なる時短ツールではなく、思考を整える相手でもあります。
AIは人の代わりをする存在ではなく、一緒に成長するパートナーなのです。
ここで学ぶのはツールの使い方ではなく、思考が進化するプロセスです。
「AIの使い方がわかった」だけでなく、
「自分の考えが整理された」
「仕事の進め方を見直すきっかけになった」
という感覚がつかめれば大成功です。

今回の講座で使用したのはChatGPTでしたが、大事なのは特定のツールそのものではありません。
イベント案内でも紹介されているように、この講座の主眼は、どのAIとも、うまく話せる土台を身につけることにありました。ツールが変わっても役立つのは、機能の丸暗記ではなく、伝え方の型だからです。
私は、技術そのものを難しく語りたいわけではありません。
むしろ、技術と人のあいだに橋をかけたいと思っています。
AIは便利です。
でも、本当に価値が出るのは、ただ便利になったときではありません。
人が考える時間を取り戻し、迷いを減らし、より大事な判断や創造に力を使えるようになったときです。
そこにこそ、AI活用の意味があると考えています。
今回のようなテーマは、個人の学びの場だけでなく、企業研修や教育の場とも相性がいいと感じています。
「AIに興味はあるけれど、現場ではまだ使いこなせていない」
「現場で本当に使えるAIリテラシーを扱いたい」
「初心者にも伝わる形で、実務に落ちる講座を実施したい」
そんな場面でこそ、「本当に使えるAIとの対話のしかた」は役に立ちます。
企業研修、講演、少人数向けのワークショップなどのご相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
AIを使いこなす、という言い方をよく耳にします。
でも実際には、その前に必要なのは、自分の考えを言葉にする力なのかもしれません。
3月25日の講座を通して、そのことをあらためて強く感じました。
これからも私は、
「伝えること」と「技術」のあいだをつなぎながら、
本当に使えるAI活用を、わかりやすく届けていきたいと思います。
講師プロフィール

長年、公共放送の国際報道に携わってきた、「伝えること」のプロフェッショナル。
現在はAI活用コンサルタントとして、業務効率化の支援やソフトウェア開発にも取り組んでいます。
ミッションは、技術で人の暮らしを楽にすること。
情報伝達の現場で培った視点を活かしながら、技術と人のあいだをつなぐ立場で、本当に使えるAI対話術をわかりやすくお伝えしています。
コメント